高齢者になると、活動量や行動量が低下するので「お腹が空き」にくくなります。
さらには、面倒だからと「食事の回数を減らす方」も中にはいます。
しっかりと食事を摂っていても、体重が減っていく高齢者もいるんですよね。
「ご飯を食べているのに体重が減るの?」と思った方も多いと思います。
とっても不思議な現象に思えますが、これにはちゃんとした理由があるんです。
実は、生命活動を維持するための「栄養素」が不足するんです。
これを「低栄養」というんですが、実はこの状態はけっこう危険な状態なんです。
それでは最初に、「高齢者の低栄養の症状」から確認していきましょう!

介護経験20年で現役ケアマネジャーの、「よちる」がシンプルに解説しますね!
【よちる・保有資格】
- ケアマネジャー
- 介護福祉士
高齢者の低栄養の症状
高齢者の低栄養の症状には以下があります。
- 皮膚状態の変化
- 体重の減少
- アルブミン値の低下
皮膚状態の変化
高齢者の低栄養の代表的な症状が、「皮膚状態の変化」になります。
具体的な症状は以下になります。
- 身体に浮腫が見られる
- 皮膚がもろい
- 傷などの治癒に時間がかかる
体重の減少
高齢者になると「消化吸収機能が低下」するので、ちゃんと食事をしていても体重が減ることがあります。
ですので、低栄養になると更に体重が減ってしまいます。
毎月体重測定をして、今の体重を知ることが大事ですね。
アルブミン値の低下
低栄養になると、タンパク質であるアルブミン値が低下します。
血液検査で数値を確認することができるのですが、血清アルブミン値が3.5以下は注意が必要です。

低栄養になると免疫力が下がるので、風邪などの感染症に「かかりやすくて治りにくく」なることもあります。
高齢者の低栄養の原因
高齢者の低栄養の原因は以下になります。
- 認知症
- 咀嚼や嚥下機能の低下
- 味覚の低下
- 食事環境
認知症
認知症が進行すると、食べることや食べ方を忘れてしまったり、同じもの買ってきて食べたりして、栄養が偏る傾向にあります。
咀嚼や嚥下機能の低下
噛む力が低下するので、硬いものが食べれなくなります。
ですので、噛み切れない繊維質なものを避けたりしますね。
飲み込む力も低下するので、飲み込みづらくなり「むせたり咳き込んだりする」ことが多くなります。
味覚の低下
高齢者になると感覚機能も低下してきます。
唾液の分泌が少なくなり、口腔内が乾燥しがちになります。
食事にしっかりと味がついていても、「味がしない」と言う高齢者の方もいますね。
食事環境
一人暮らしの高齢者が増えてるので、一人での食事が寂しくて「食事の回数」が減る方もいますね。

家族がいるときは料理していた方でも、一人になると食事の用意が面倒になりますもんね。
低栄養を予防しよう!
低栄養を予防するには以下の方法があります。
- 栄養補助食品の導入
- 料理の仕方を変えてみる
- 一人で食事しない
栄養補助食品の導入
手軽なのが、足りない栄養素を取るために「栄養補助食品」を取り入れてみることですね。
飲むタイプやゼリータイプがあるので便利ですよ!
料理の仕方を変えてみる
料理の仕方を変えるのも有効ですね。むせたりする食材があるなら、小さく刻んだり、柔らかく煮込んだり、と食べやすくするといいですね。
一人で食事しない
同居されている方は家族で食事をして下さい。
一人暮らしの方は、デイサービスに行って大勢と一緒に食事するといいですね。
一回の食事量が少ない方は、食事の回数を1日5回などにするといいですね!
高齢者になると毎日の食事がとても重要になってきます。
食べたくなる環境づくりも重要ですし、体重の把握と定期的な血液検査も大事ですね。

「低栄養なんだろうか?」と迷ったときは、自己判断よりも「かかりつけのお医者さん」に相談して下さいね!