高齢者になると外出時に強く心配することがあります。
それが「排泄の問題」になります。外で失敗して、人に見られるのを恐れるんですよね。
ですので外出の際には、水分を摂らないようにしたり水分を控えたりするんです。
そうなると困るのが、「脱水症状」になります。
脱水症状とは、体内の水分が不足している状態のことを言いますよ!
それでは最初に、「高齢者の排尿障害の種類」から確認していきましょう!

介護経験20年で現役ケアマネジャーの、「よちる」がシンプルに解説しますね!
【よちる・保有資格】
- ケアマネジャー
- 介護福祉士
高齢者の排尿障害の種類
頻尿
頻尿とは、排尿の間隔が近く回数が多い状態のことです。
ただし、個人差があるので排尿量や回数が増えたから頻尿とは一概には言えません。
1日の排尿回数が8回以上なら頻尿の可能性があると言われています。
排尿困難
排尿困難とは、尿が出そうでなかったり、排尿に時間がかかったりすることになります。
すっきりした感じがなく、残尿感が残るのも特徴の1つですね。
閉尿
閉尿とは、前立腺肥大などで尿の流れが妨げられて、膀胱に溜まった尿が出てこないことになります。
全く尿がでない危険な状態なので、膀胱留置カテーテルで溜まった尿を出す必要があります。
それでは続いて、「尿失禁」について詳しく見ていきましょう。

尿失禁とは、意思とは関係なく尿が漏れてしまうことになりますよ。
尿失禁
尿失禁には以下の種類があります。
- 切迫性尿失禁
- 腹圧性尿失禁
- 反射性尿失禁
- 溢流性尿失禁
- 機能性尿失禁
切迫性尿失禁
切迫性尿失禁とは、尿意を我慢できないことによる失禁になります。
過活動膀胱が原因とも言われています。
腹圧性尿失禁
腹圧性尿失禁とは、くしゃみ・咳・笑ったときなどお腹に力が入ったときに起きる失禁になります。
特に、女性に多いと言われていますね。
反射性尿失禁
反射性尿失禁とは、本人の意志とは関係なく尿が出たり出なかったりする失禁になります。
溢流性尿失禁
溢流性尿失禁とは、前立腺肥大などで尿を出したくても出なくて膀胱に溜まった尿が漏れ出してしまう失禁を言います。
男性に多いと言われています。
機能性尿失禁
機能性尿失禁とは、排泄機能は問題ないがADL(日常生活動作)の低下や認知症などで排尿を正確にできなくなる失禁になります。

高齢者に多い失禁は、切迫性・溢流性・機能性と言われていますね!
尿失禁を未然に防ぐ方法
尿失禁を未然に防ぐ方法は以下になります。
- 排尿の間隔やペースを把握する
- 排尿前の行動や動作に気づく
- トイレ環境や用具を活用する
排尿の間隔やペースを把握する
排尿チェック表をつくり、「何時に排尿」「便器に出たか?」「失敗していたか等」を記録する。
排尿前の行動や動作に気づく
認知症の人は排尿前にそわそわしたりうろうろすることが多いです。
その人の排尿のサインを掴むことも大事ですね。
トイレ環境や用具を活用する
トイレまで距離があって間に合わないのであれば、居室をトイレから近い場所にする。
それが難しい時はベッドの横に福祉用具のポータブルトイレを置いてみて下さいね。
高齢者の排尿障害は絶対に怒ってはダメ!
高齢者の排尿障害で特に気をつけてあげてほしいのが「尿失禁」になります。
尿失禁は、俗に言う「おもらし」になります。
ですので、高齢者のプライドが傷ついて自信喪失につながります。
尿失禁をした高齢者の方には、その後のきめ細かい対応が必要になりますね。

と言うのも、失敗したくて失敗してる訳ではないからです。
おむつやパッドは逆効果
もう1つの注意点は、尿失禁が多いからと言って、「おむつやパットなどを」を簡単に使用するのは逆効果になります。
排尿に失敗したからといって「絶対に怒らない」ようにしてあげて下さいね!
現場で尿失禁をした人の対応をするとき、私が心がけていることは「安心してもらうような言葉」をかけるようにしています。
具体的には、「大丈夫ですよ」「誰でもあることですから」と言ってますね。

後は、その話題を避けて別の話しをするようにもしてますよ!