今回の記事は、
- アルコール依存症に起因する脳へのダメージ
- アルコール依存症と脳萎縮・梗塞
について、断酒歴9年の私が解説します。

お酒の飲み過ぎは、実は脳にもダメージを与えるんです。お酒との付き合い方に問題のある方は、「早めの対処」をオススメしますよ!
アルコール依存症に起因する脳へのダメージ
アルコール依存症者は、「お酒に関して制御がきかない人」は、世間一般でも知られるようになってきました。
しかし、アルコール依存症に起因する「脳へのダメージ」は、世間一般ではあまり知られていません。

実は、この脳へのダメージがアルコール依存症をさらに悪化させるんです!
アルコール依存症が脳に与えるダメージには以下があります。
脳の機能低下
私がアルコール依存症末期の頃は、「飲む度に記憶がぶっ飛ぶ」ようになっていました。
さらには毎日毎日、お酒が飲みたくてたまらなくもなってましたね。
実は、この2つの症状はアルコール依存症に起因する「脳の機能低下」だと言われています。

こうやって人は、アルコール依存症街道を一直線に走っていくんですよね!
前頭葉・海馬の働きが低下
それでは次に、アルコール依存症に起因する「前頭葉・海馬」の働きが低下を確認しましょう!
アルコール依存症と前頭葉
脳の一部分である前頭葉の働きの1つに、「欲求の抑制」があります。
アルコールに問題を抱えてる人は、当然ですが「お酒が飲みたい」が1番の大きな欲求になっています。
刈谷病院では、このように言っています。
さらに脳の前頭葉の機能低下が起こってきます。飲酒によってここが萎縮したり機能低下を起こしたりすると欲求へのブレーキがきかなくなり、長期的利益を無視して短期的利益ばかりを追求するようになります。 ますます飲酒が止まらなくなるわけです。
(引用:刈谷病院「脳の変化と報酬系の機能低下」より」
お酒を飲めばのむほど「前頭葉の機能が低下」して、負の連鎖に陥るんですよね。
脳の一部の機能が低下した人にとって、「お酒のコントロール」ができるわけがありません。

つまりは、前頭葉が機能低下することによって「飲酒欲求のコントロール」がさらに難しくなります。
アルコール依存症と海馬
大脳辺縁系の一部である海馬は、記憶に関する機能を司る器官になります。
そんな海馬の機能が低下すると、「記憶がぶっ飛びやすくなる」と言われています。
お酒を飲み過ぎて記憶がなくなることを、「ブラックアウト」と言います。
飲み過ぎてと書きましたが、アルコール依存症者は「飲み過ぎなくても」記憶が飛びやすくなります。
それは、海馬の機能が著しく低下しているからになります。

そんなに深酒してる訳でもないのに、飲む度にブラックアウトになるんですよね。
アルコール依存症と脳萎縮・梗塞
最後に、アルコール依存症と脳萎縮・梗塞について確認しましょう!
アルコール依存症と脳萎縮
重度アルコール依存症者の脳が、「かなりの早さで萎縮してる」と言うのは有名な話しになります。
厚生労働省では、このように言っています。
以前から大量に飲酒する人には脳が小さくなる脳萎縮が高い割合でみられることは知られていましたが、最近の調査によれば、飲酒量と脳萎縮の程度には正の相関が見られることが報告されています。
(引用:厚生労働省「アルコールの脳への影響について」より)
大量に飲酒する人は、「中期から末期のアルコール依存症者」に多いですよね。
アルコール依存症と脳梗塞
脳萎縮も怖いですが、さらに怖いのは「重度アルコール依存症者は脳梗塞の可能性もある」と言うことになります。
佐倉病院では、このように言っています。
長期飲酒例では、アルコールが動脈硬化の危険因子となり、多発性脳梗塞(脳血管性認知症)の誘因となるともいわれます。
(引用:佐倉病院「お酒とからだ」より)
MRIで重度アルコール依存症者の脳を見ると、スカスカなのに驚きます。
だからこそ、なるべく早くアルコール依存症から回復したほうがいいんですよね。

脳に深刻なダメージを与える前に、アルコール問題を克服して下さいね!